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小児眼科(斜視,弱視,子どもの近視抑制)

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小児眼科

近年、スマホやゲーム、読書など近くで物を見る機会が多く、また屋外で遊ぶ機会が少なくなったことにより、子どもの目の病気「斜視、弱視、近視」が増えています。

それぞれの病気の発症時期に差はありますが、早いものでは、斜視は3〜4歳が最も多く見られます。子どもの目を守るためには、病気になる前の予防が大切です。

まずはその原因と治療方法、予防方法について眼科医が詳しく解説します。

目次

斜視とは?

内斜視

斜視は、片方の眼が正面を向かずに他の方向を見る状態を指します。内斜視、外斜視、上下斜視など複数の斜視に分類できます。

斜視の症状

  • 目が異なる方向を向く
  • 物が二重に見える
  • 焦点が合いにくい

斜視があると、1つのものが2つに見えたり(複視)、逆に2つのものが1つに見えます(混乱視)。

ズレた側の目で見る像がぼやけて見えるなどの理由で、子どもは無意識のうちにその目を使わなくなり、視力の発達が妨げられます。

この結果、弱視と呼ばれる状態が生じ、眼鏡をかけても視力が改善されない可能性があります。また、斜視があるときには、顔を斜めにして見ることもあります。

斜視の原因

目を動かす筋肉や神経の異常、遠視、視力不良、両眼視の異常などが考えられます。

斜視の治療方法

手術と手術以外の方法があります。また、斜視の種類や年齢によって、治療方法が異なります。遠視が原因の内斜視であれば、まず眼鏡による屈折矯正が行われます。

この治療だけで、眼の位置が正常になることもあります。他の種類の斜視では、手術が必要な場合があります。また弱視がある場合は、手術の前に弱視治療が行われます。

 

物が2つに見える場合は、「プリズム眼鏡」というレンズを試すこともありますが、斜視が完全に治るわけではありません。

斜視の種類によっては、早期治療の場合でも両眼視機能の獲得が難しいことがあります。

弱視とは?

視力は、生後から8歳までの間に、徐々に発達します。この期間に、何らかの理由で視力の発達が妨げられ、視力が充分に発達しない状態を弱視と呼びます。

医学的には、「視力の発達が妨げられた低視力」と定義され、眼鏡やコンタクトレンズをしても視力が上がらない状態です。

弱視の症状

  • テレビを近くで見る
  • 目を細める
  • 顔を傾けて物を見る
  • 目の前のものを掴み損ねる
  • 何かにぶつかったり、転びやすい
  • 細かい作業がうまくできない

上記のような視力低下や目の協調動作の不具合、視空間認識能力の低下といった症状が起こります。

弱視の原因

屈折異常弱視

両眼の屈折異常(遠視、乱視、強度近視など)がある場合

不同視弱視

両眼の屈折度に著しい差がある場合

斜視弱視

斜視のせいで、片方の眼しか使わない場合

形態覚遮断弱視

眼帯の使用などで、片方の眼しか使っていなかった場合

弱視の治療方法

原因に応じて、さまざまな治療を行います。

低濃度アトロピン(マイオピン)点眼

毎日就寝前に1滴点眼する治療方法です。近視の進行が完全に止まることはありませんが、最低でも2年間使用することで、何もしない場合と比べて近視の進行を60%軽減できたという報告があります。

眼鏡・コンタクトレンズ

屈折異常による弱視の場合に眼鏡やコンタクトレンズを用いて、視力の改善と視機能の発達を促します。

アイパッチ療法

片方の視力が弱い場合、その眼を休ませ、健常な目の視力を促進するために、一時的に健常な目を覆う方法です。これにより、弱視の眼の視力向上を目指します。

眼科リハビリテーション

専門の眼科医や視能訓練士と連携して、視機能の訓練を行い、視力や視空間認識能力の向上を目指します。

外科手術

斜視や先天性白内障などの手術を行い、視力の改善を目指します。

近視とは?

眼球の形が前後方向に引き伸ばされ、光が焦点を合わせる位置が網膜よりも前になる状態を指します。

近視の症状

  • 近くのものははっきりと、遠くのものはぼやけて見える
  • 目を細めてみる
  • つまづきやすい
  • 慢性的な肩こりがある
  • 飽きやすい

近視の原因

近視の原因には、主に先天的な原因と環境的な原因があると考えられています。

先天的な原因

両親のどちらかが近視の場合、子どもが近視になるリスクが比較的高くなる傾向があります。

環境的な原因

スマホやゲーム、読書など物を近くで見る機会が多いと、目が疲れて近視になりやすくなります。

近視の治療方法

低濃度アトロピン(マイオピン)点眼での予防

毎日就寝前に1滴点眼する治療方法です。近視の進行が完全に止まることはありませんが、最低でも2年間使用することで、何もしない場合と比べて近視の進行を60%軽減できたという報告があります。

マイオキッズレンズ(旧MCレンズ)での進行予防

子どもの近視進行を抑制するための特殊な眼鏡です。子どもは近くを見るとき、焦点が網膜の後ろにズレる傾向があり、これが近視進行刺激になります。

レンズの近視エリアにプラスの屈折度を追加して調節をサポートし、調節の負担を減らし、近視の進行刺激を軽減します。

コンタクトレンズでの進行予防(オルソケラトロジー)

就寝時に特殊なレンズ(オルソケラトロジーレンズ)を使用し、角膜の形状を変化させることで近視を矯正します。日中は裸眼で過ごすことができ、手術を必要とせず、小さな子ども(6歳以上)から治療を始めることができます。

この治療では、視力の矯正だけでなく、子どもの近視の進行を抑制することも期待されています。

予防方法

それぞれの予防方法について解説します。

斜視

内斜視の発生を防ぐためには、近くの物を長時間見ることが関連しています。そのため、30分間使用した後には5分間の休憩をとり、遠くを見たり、スマートフォンからの距離を30センチ以上離すことが大切です。

また、ベッドやソファで横になりながらスマートフォンを使用する際には、画面が目に近づくことに注意が必要です。

弱視

弱視の原因を早期に発見し、早期に治療をすることです。赤ちゃんのうちから、おもちゃの色や形を判断する遊びや目の前で物を動かすといった目を刺激するトレーニングや、屋外で遊ぶ機会を多くすることが大切です。

近視

近視は、主に眼球の形状が楕円形に変わることで引き起こされます。この状態ではピントがずれ、近視が生じることがよくあります。近くを見る習慣が強くなると、近視になりやすくなります。

一度眼球の形状が変わると、元に戻すのは難しいため、眼球の形状を保つことが近視の進行を防ぐ上で重要です。

近視進行抑制のためのTips

  • 視距離を30cm以上とる

    物を見るときに30cm未満に近づけて見ると近視が2.5倍増えると言われています。そのため、姿勢を正して、あまり近づきすぎないようにしましょう。また、適度な明るさで見ることも大切です。

  • 1日2時間以上、1日40分以上の屋外活動を

    両親がともに近視であっても、1日2時間以上の屋外活動をすることで近視になりにくいという場合があります。太陽光に含まれるバイオレットライトの波長は、近視の進行を抑制するとされる「EGR1遺伝子」の活性を高めるため、1日40分以上の屋外活動をおすすめしています。

  • 「20-20-20」ルール

    目の疲れを和らげる方法として、「デジタル画面や近くでの作業を20分間したら、20フィート(約6m)以上遠くを20秒間眺める」という手法があります。これは米国眼科学会で推奨されており、目の負担や疲れを軽減する効果があります。

まとめ

子どもの目の病気の治療や予防については、タイムリミットがあるものがあり、早期の発見と早期の治療が非常に重要です。

何かとデジタルに触れる機会の多い時代だからこそ、斜視や弱視、近視の具体的な症状をもう一度読み返して、子どもの目をしっかりと守れるようにしましょう。

当クリニックでは、小児眼科をはじめ、幅広い眼科治療を行なっています。ご家族や身の回りでお困りの方がいらっしゃる方はお気軽にご相談ください。

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サイト監修者について

医療法人七彩

理事長 本間 理加

これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。